小乗仏教と大乗仏教の違い(3-1)

・小乗仏教とは?

まず「小乗」とは、小さな乗り物ということです。
小乗仏教といわれるのは、小さな乗り物のような仏教ということです。
 
なぜ小さな乗り物といわれるのかというと、その理由は2つあります。
 
まず1つ目は、小乗仏教の場合は、出家した人は、まず瞑想などの自分の修行をすることを優先して、自分が悟りをひらくまでは他人を救おうとはしないからです。
 
出家していない人は、僧侶の集まりに布施をして、僧侶の修行をサポートします。
しかし自分も修行しない限り、救われるわけではありません。
出家して修行した人しか救われず、出家した人は自分の幸せを優先する、小さい乗り物のような教えなのです。
 
このように教え、実践するのは、部派仏教とか、上座部(テーラワーダ)仏教といわれる仏教の宗派です。
現在は、スリランカを中心に、タイやミャンマーなど、東南アジアに広まっています。
 
しかしこれは他人事ではありません。
このような自己中心的な考え方をしてしまえば、大乗仏教の広まっている日本の私たちも同じです。
現代の日本でも、自己啓発やビジネスで、「自分が幸せではないのに、人を幸せにできるはずがないから、まず自分が幸せになっていいのですよ」と教える人があります。
これは小乗仏教的な考え方ですが、説得力があるようで、聞いた人の心にも心地よいので、信じてしまう人があります。
小乗仏教は私たちの心にとてもよく響き、受け入れやすいのです。
 
しかし、もしそうだとすれば、自分が幸せになったと思うまでは自分を優先することになります。
人間の欲望は無限なので、なかなか自分が幸せになったとは思いません。
結局、自己中心的な考え方で終わってしまいます。
これは私たちが非常に気をつけなければならないことなのです。
 
(その2に続く↓↓)

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