空海以前に密教は存在したか?

密教が空海によって唐から伝えられる以前の日本には、密教のような教えが存在したとする研究者がいます。


古代日本においては、陰陽道や山岳信仰、道教などの宗教や思想が存在していました。これらの中には、密教の儀式や概念に似たものがあったとする説もあります。例えば、山岳信仰においては、山岳霊や霊峰と呼ばれる神仏を崇拝し、儀式や瞑想を通じて神仏との交感を目指すことが行われていました。


ただし、これらの教えが密教と同一であったかどうかは不明です。密教が唐から日本に伝えられた後、弘法大師空海などの僧侶たちは、これまでの日本の宗教や思想と密教を融合させることで、独自の密教文化を形成しました。


・陰陽道とは、日本独自の思想・宗教・術法の一つで、陰と陽の二つの対立する原理を基礎とした宇宙観や人間観を持ち、陰陽五行説や神道、道教などの影響を受けたものです。


陰陽道の起源は、古代中国にある陰陽五行説にさかのぼります。この説によれば、陰と陽という二元論によって宇宙や自然現象、人間の身体や性格などが説明されます。陰陽道は、この陰陽五行説を日本に伝えたとされています。
また、陰陽道には、陰陽思想に基づいた占いや風水、呪術的な術法、陰陽道神社や陰陽師などの信仰なども含まれます。陰陽道は、神道や仏教とも関連があり、これらとの融合が進み、日本独自の宗教文化を形成していきました。


・道教とは、中国発祥の宗教・思想の一つで、道を中心とした哲学的な考え方や、鬼神信仰、方位学、内丹術などを含む多岐にわたる教えがあります。


道教の中心となる概念は「道(タオ)」と呼ばれるもので、この道は宇宙の原理、万物の根源として考えられます。また、道教には陰陽五行説をはじめ、自然や人間の身体、心、精神などの現象を説明する独自の哲学があります。


鬼神信仰に関しては、道教には陰陽道との共通点があり、陰陽道同様に山岳信仰などを取り入れた儀式や呪術的な術法があります。また、内丹術と呼ばれる、身体や精神の修養を目指す術法も重要な教えの一つです。


道教には、道家と呼ばれる哲学的な立場や、神仙道と呼ばれる鬼神信仰を中心とした立場など、いくつかの流派があります。また、道教は中国文化圏だけでなく、日本や韓国、ベトナムなどにも影響を与え、各地で発展してきました。

真言宗 光堯庵 (ひかりぎょうあん)

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